社会保険料は経営者にとって大きな負担ですよね。
役員報酬を下げれば所得税も住民税も社会保険料も下げられますが、今度は法人税が上がってしまいます。
この辺をきちんと設計し、役員賞与も活用すれば、さらに負担を軽減できます。
そして退職金もしっかり活用することで合法的に削減したい!
具体的に見て行きましょう。
たとえば、売上1億円、利益1000万円、役員報酬1500万円(役員1名)の場合。
社会保険料は約160万円。利益1000万円に対して16%が社会保険料として消えていきます。
これを抑えるために役員報酬を1000万円に下げると、社会保険料は約130万円となり、年30万円削減できます。
ただ、単純に報酬を減らすだけでは手取りが減ってしまう。そこで役員賞与、そして退職金を組み合わせます。
退職金の活用
退職金に係る税金はとても低くできていて、しかも社会保険料がかかりません。
報酬の一部を退職金として積み立てて課税を将来に送り、低い税負担で退職金を受け取ります。
たとえば、役員報酬1500万のうち毎年500万円を退職金とし、20年後に1億円の退職金を受け取るとします。
退職金には退職所得控除が適用されます。 勤続20年の場合、控除額は 800万円(800万円 + 70万円 ×(20年 – 20年))。
この控除を差し引いた9200万円( = 1億円 – 800万円)に税金がかかります。
退職所得は1/2に課税されるので、課税対象額は4600万円(9200万円 ÷ 2)。
所得税と住民税の合計は 約2050万円。
もし、これを毎年500万円の役員報酬として受け取っていたら、所得税・住民税・社会保険料の合計で毎年約203万円。
20年で 約4060万円 です。
退職金として受け取ることで、税負担を半分近く抑えられる計算になりますね!
法人税とのバランス
退職金として準備する500万円は法人に残るので、法人に課税されます。
利益1000万円の場合、実効税率 23.3% で 233万円。 役員報酬が500万減れば法人の利益は1500万円となり、実効税率 25.7% で 386万円。
法人税が 年間153万円(= 386万円 – 233万円) 増えます。
法人・個人一体で考えると、50万円(= 203万円 – 153万円) 多く手元に残ることになります!
役員賞与の活用
役員賞与は「事前確定届出給与」の申請が必要になりますが、社会保険料がかからないので手元キャッシュを多く残せます。
たとえば、役員報酬を年600万円に抑え、残り1000万円を役員賞与として支給します。
ただし、社会保険料が減った分、税金が増えることも考慮が必要です。
これだけ賞与に振っても、税と社保でトータル 年16万円 しか負担は減りません。
法人税は233万円となり、法人・個人一体で考えると手残りは多くなります。
しかし、まだ懸念がありますよね。 退職金がどこかに行ってしまったことと、月50万円で生活費が足りるかどうか、です。
最適なバランスを見つける
たとえば、
- 役員報酬を1000万円に設定
- 退職金原資を200万円で一部損金計上可能なものを活用
- 役員賞与を300万円にする
役員賞与は業績が厳しい場合は0にすれば大丈夫です。
申請はしておいて利益が出たら期末に300万円を出すという、利益調整弁として使います。
このように、個人の所得税・住民税・社会保険料と法人税が密接にかかわりあっています。
法人と個人両方のキャッシュが最大限残るように設計し、経営者自身の資産形成にも考えていく必要があります。
自社に合った最適な報酬設計を考えないと、手元に残る資産を増やしていくこともままなりません。
いやあ奥が深いですね。。。
